平成30年4月に創設された介護医療院は、長期療養が必要な要介護者のための介護保険施設です。「院」とついているので、病院のようなイメージを持つ方もいますが、介護施設の一つに分類されます。創設された背景には、2025年問題、看取り問題など日本が抱えるさまざまな問題があります。
介護医療院には3つの特徴があります。1つめは「日常的な医学管理」です。2つめは「看取りやターミナルケア(終末医療)などの機能」、そして3つめは「生活機能を兼ね備える」ことです。高齢者の生活の場ですが、医師や看護師が常駐し、医療と介護を提供します。
日本は2019年で高齢化率28.4%(総人口に占める65歳以上の割合)になり、世界一の超少子高齢化社会となりました。2036年にはなんと高齢化率33.3%になり、国民の約3人に1人が65歳以上となります。その前に、団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年問題を迎えることになります。
超高齢化を迎える日本において、慢性期疾患の医療、介護ニーズを併せ持つ高齢者に対応するための施設となる、介護医療院は有効な解決策の一つとなるのではないかと期待されています。自宅や施設で対応できない方の受け皿として創設され、今後、日本全国で数を増やしていく予定です。
もともとあった医療保険の医療療養型施設と介護保険の介護療養型施設を廃止して新しく作られたのが介護医療院です。今後、日本が地域包括ケアシステムを進めていく中で、医療と介護を一括して提供できる施設として、高齢者医療・介護の中心的役割を担っていきます。