病院で勤務する以外にも、看護師の勤務先はたくさんの種類があります。その中の一つが介護施設です。高齢化社会の現代、医療ケアを行う介護施設や介護医療院に勤務する看護師は増えています。さまざまな年齢、病状の方たちに医療を提供する病院やクリニックと違い、要介護の高齢者が入居する介護医療院では、看取りケアも看護師の大切な役割です。看取りは高齢者医療にかかわる看護師にとって避けては通れません。
誰もが納得いく最期を迎えられるわけではありません。入居者と家族に後悔が残る最期だった時、無力さを感じて自分を責めてしまう看護師は少なくありません。もし、満足のいく看取りができなかった場合はどうすればいいのでしょうか?
自分の理想とする看取りがあるからこそ、思った通りにできないときに自信を無くしたり、自分を責めたりします。入居者の苦痛を緩和し、できる限り、本人や家族の希望が叶うようにサポートすることが看取りケアを行う看護師の役割です。しかし、理想通りにいかなかったとしても、それがダメなわけでも、不正解なわけでもありません。最期の迎え方はさまざまです。すべて看護師がコントロールできるわけではありません。理想通りにいかなかったからこそ、学べること、得られるものがあるはずです。そこに目を向けられる柔軟な思考と広い視野を持つことが、看取りケアを行う看護師には必要です。必要以上に自分を責めないことは、看取りケアを行う看護師に大切なスキルです。介護医療院での看護師の役割について、もっと詳しく知りたい方は〈医療と介護のハイブリッド【介護医療院】〉を見ていただけるとよいと思います。